右脳を豊かにするためには読書が間違いない【オススメ13選】

本はクリエイティブなことをするのに必要な右脳の活性化につながる。文章を読んで自分の中でイメージを創り上げる作業は絵でも音楽でも、ものを創り出す人にとってとても大事である。
今回は本読むの大好きだったわたしがおすすめする本13選。
なぜ『大好きだった』と過去形かというと、今オーストラリアなので洋書ばかりしかないし、やることたくさんで本を読むヒマもない。最近は全く読めていないのだチクショーめ。
想像力が育つ小説
まずはみんな大好き小説から。
アルジャーノンに花束を
著者 ダニエル・キイス
1959年に発売された小説。
これは結構有名な本で日本でもドラマになってる。
でも原作ファンとしては許せない。全然違うしッ!ドラマなんてやめてッ!
チャーリーという知的障害を持った青年の日記形式で語られる物語。最初は『ぼくは、ストラウスはかせに・・』のような幼稚な文から始まるが、脳手術の臨床試験の被験者として徐々に知能を手に入れていき、日記にも知性に溢れ始める。
知性を持ったことで見えてくるものが彼を苦しめる。不安や真実を知った絶望、その知能で自分の将来が見えてしまう。
これを読んだのは高校生の頃で、学校帰りの堤防の土手で一気に読み、大泣きした本。時々読み返すけれどいつも大泣きしてる。
ライ麦畑でつかまえて
著者 J・D・サリンジャー
1951年発売
これも結構有名な本。だけど『読んだ』って人にはあまり会ったことない。けど本好きなら多分読んだことあるはず。
ホールデンという青年が語る、学校を退学になり家へ帰るまでのストーリーである。彼の語り口はいつも世間を穿った角度から見ていて、憂鬱で言い訳がましくて気が滅入るような言い回し。
それでも家族に向けられた愛情なんかを時々見せることもあったり、その全体の表現する言葉にわたしはやられた。
これも高校生の時に何度も読んだ本。
翻訳で野崎孝氏と村上春樹氏が手がけているが、わたしのおすすめは断然野崎氏版。
ちなみにジョンレノンやレーガン大統領が射殺された事件があったが、それぞれの殺人事件を起こした犯人が愛読していたのはこの本である。
アルケミスト
著者 パウロ・コエーリョ
1988年出版
羊飼いの少年サンチャゴが羊を売払い、エジプトを目指し旅に出る話。少年がたくさんの人たちと出会い、別れ、人生について学んでいく。
この真理を解くには時間がかかるし、言葉では説明ができない。少なくても一度しか読んでない今のわたしにはできない。
不思議な話で、集中していないと理解できなかった。読み手によって捉え方が変わると思うし、わたしは大切なものを呼び起こさせられた感覚があった。英語版を旅の途中で買ったので時間ある時に読んでる大切な一冊。
この本によって私の『旅欲』が一気に高まったのは間違いない。
塩狩峠
著者 三浦綾子
1968年
これは塩狩峠で実際に起きた鉄道事故を元に書かれた半分ノンフィクションの小説。
明治の時代を生きた永野信夫という男のストーリー。著者がキリシタンであるので若干その色はあるものの、邪魔にならず読める感動の一冊。
この本を読んでから三浦綾子氏の作品はこれでもかと読み漁った。
氷点
これも三浦綾子氏の作品。
1965年
妻の不貞の最中に娘を殺され、その代わりに養子をとるが夫が妻の不貞の腹いせに実娘を殺した殺人犯の娘を引き取るという、真っ黒い夫婦の話。
ひとつの闇がさらなる大きな闇を生むという、実際にこの世に渦巻く汚れ、それによって起こる悲劇を書いている。
新人で無名だった三浦綾子氏はこの作品で一気に人気が出た。
文庫で上下、続いて『続・氷点』の上下巻がある。
人間失格
著者 太宰治
1943年
『恥の多い生涯を送って来ました』の一文はあまりにも有名で、太宰治自身の遺書ではないかともいわれるこの本。
というのも太宰治がこの本を書き終えた約1ヶ月後に入水自殺をしている。
他人に自分を晒け出せず自分を道化(ピエロ)と例え、人に囲まれようとも孤独に苛まれ、アルコールや薬物依存などに悩んだ主人公の人生を赤裸々に語られた一冊。
誰しもそんなことを一度は考えることもあるんじゃないか、とも思う。恵まれたように見える他人も、考えの及ばないような暗闇を持っている。
幸せとは不幸とは、その人のモノサシでしか決められないのだ。
↑Kindle版だと¥0で読めるので是非。
ファンタジー小説
指輪物語
著者 J・R・R・トールキン
1955年
ファンタジー好きならばトールキンなしでは語れない。
映画ロード・オブ・ザ・リングの原作であり、すべてのファンタジー作品の原点とも言える指輪物語。はっきり言って読むのは一筋縄ではいかない。『読むのを諦めた』という人を何人も知っている。
完璧主義者だったトールキンが書いたこの物語はまるで実際起こった歴史を読んでいるかのような描写。RPG(ロールプレイングゲーム)はほとんどがはじめ指輪物語に影響されたそうだ。
とにかく長いけれど、世界観がリアルで本当に面白い。トールキンを読むなら『ホビット』から読み始めるのが入りやすいと思う。
↑この分厚さで3冊ある。10冊に別れたハードカバー版や文庫も出ているのでそっちが読みやすいかも。でもビジュアル的に私はこの分厚いやつが欲しい。いいよね
ホビットは読みやすいので是非。
ノンフィクション小説
海賊とよばれた男
著者 百田尚樹
2012年
出光興産創業者である出光佐三がモデルとなった国岡鐡造が、戦後の時代を世のため人のために生きた熱い物語だ。
今の日本があるのもこの人物がいたからだと思える。
百田尚樹は結構叩かれたりする作家さんだけど、この人の取り上げる題材が面白いのでよく読む。
『永遠の0』も有名どころで、戦争を知らない人間が多いこの時代に100%の真実ではなくとも興味を持てるきっかけをもたらしてくれた。
百田氏の作品は他に『風の中のマリア』『モンスター』『影法師』『カエルの楽園』などを読んだが、ジャンルが多種多様なのにどれも面白いので是非。
これも上下巻あり。
僕の脳みそを返して
著者 ハワード・ダリー
2009年
ロボトミー手術という言葉を知っているだろうか?
精神病に唯一有効と言われ大流行したが、現在は封印された外科手術。
電気ショックで気絶させ、まぶたからアイスピックのような道具で脳みそに刺し、前頭葉を傷つけることで凶暴性を失わせなんの気力もない人間にさせてしまう手術。
当時のアメリカでは、ちょっとやんちゃでいうことの聞かない子供でさえもこの手術を受けさせることがあり、大きな問題となった。映画『カッコーの巣の上で』もこのロボトミー手術の怖さを描いている。
養母によって病院へ連れて行かれその被害者となった著者ハワード本人の体験を執筆した本。手術によって『気力がなくなる』ということは世間に訴えるということもできなくなる。そんな訴えられない被害者の中でもハワードだけは本にすることができた希少な一冊。
羆嵐
著者 吉村 昭
1982年
大正時代の北海道で起きた、ヒグマによる村襲撃事件。2日間で男女6人が殺されてしまった前代未聞の獣害事件の長編ドキュメンタリー。
一人のマタギ(主に熊を狩猟する狩人)がヒグマを追い詰めるラストは、本であっても冷や汗ものだ。
この事件、最初私はテレビで観て事件について調べるようになってこの本にたどり着いた。淡々と進む語り口が、事件の真実や情景を容易に想像できて恐ろしい。
これ読んでからツキノワグマ2頭を素手で殺す夢まで見た。
サイエンス
科学大好きな私のオススメ。
感じる科学
著者 さくら剛
2011年
物理学って勉強してない人からすると結構難しい。私は興味があってよくNHKスペシャルとか見るんだけど、それでも集中してないとすぐ見失う。
そんな難しい物理の世界を面白おかしく解説した本が『感じる科学』だ。わかりやすくて笑える。文庫も出てるよ。
この著者のさくら氏は科学以外にも旅や世論、歴史、小説など多岐にわたって執筆しているマルチな方だ。
番外編
ナチュラル・ファッション 自然を纏うアフリカ民族写真集
著者 ハンス・シルヴェスター
2013年
エチオピアに住むスルマ族とムルシ族のアートな衣装や顔や体に施されたボディアートを、著者であるハンス・シルヴェスターが撮影した希少な一冊。
現代社会で生活していると忘れてしまいがちな自然の美しさをアートにする民族の美しい写真集だ。これを眺めてるととてもクリエイティブな気分になれるのでオススメ。
まとめ
読書好きだけど、海外へきてからというもの本を読む機会がグッと減ってしまった。日本の本屋さんの本の量は膨大で見てるだけで楽しい。
ちょっとした空き時間に読む一冊は人生をより豊かにしてくれる。
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