世界遺産の一角ケプラー・トラックを【より安く】歩いた記録

ニュージーランド6ヶ月のスクーター旅をしながらトレッキングした中で最長の距離はケプラー・トラック(Kepler Track)だった。ここのフィヨルドランド国立公園は世界遺産認定もされている。
安く楽しむをモットーにしていたのでお金のかかることは避けてきたわたしが、安く十分に楽しめたケプラーをシェアする。
興味ある方はどうぞ。
ケプラー・トラックはフィヨルドランド国立公園(Fiordland National Park)にあるループトラック(一周して帰ってこられる)。
周遊できるってことは駐車場から同じ駐車場に帰れるのでバスなんかの料金がかからない。
一周60.1キロ、だいたい3〜4日かけて歩くコース。ハットが3ヶ所、キャンプ場が2ヶ所あるので荷物を軽くしたいリッチ野郎はハット、究極のビンボーな体力バカ(わたし)はキャンプ場に泊まるといい。
ちなみにキャンプ場は1泊$18でオフシーズンは$5。でも今調べたらシーズン中のキャンプ場$20になってる。上がったの?それともわたしがスペシャル?(自意識過剰
ハットは高い。シーズン中は$65。ハットならオフシーズンがいいかも。$15。
つまりシーズン中にハット泊で3泊4日で歩くならば$195。キャンプで2泊3日なら$36(40)。
ハットとキャンプを混ぜてもありだ。
わたしは3月19日から21日の2泊3日、秋(シーズン中)に歩いた。
前日はマナポウリのキャンプ場に泊まっていた。ケプラー歩きたいなあと考えていたけれど何も決めておらずとりあえず天気予報のチェック。3日間晴れる・・歩ける・・・・
決めたら行動が異常に速いわたしは、キャンプ場2ヶ所の予約を確認。空いてない。
しかしわたしは諦めない。一度決めたらすごいしつこい。この時すでに夜の9時だったけれど何度も何度も予約のサイト更新してキャンセル待ちをする。
夜10時、なんとキャンセルが出て無事予約できた。ラッキーわたしはこういう運がいいのよ(ただしつこいだけ
キャンプ場は前述した通りアイリス・バーンキャンプ場(Iris Burn Camp)とブロッド・ベイキャンプ場(Brod Bay)の2ヶ所。
初日はアイリス・バーンキャンプ場の予約が取れたので時計回りに歩くことにした。
なんかこの地図見てると余裕な気がするわたし。60キロなんてヨユーとか思ってる。だって1日に30キロは歩いたことあるしな、20キロなんて余裕じゃんとか思ってたアホはわたし
体力いるのでさっさと寝ようと急いでバックパックに必要なものを詰め込む。
朝起きて泊まってたキャンプ場の受付へ行き3日間荷物を預かってくれとお願いする。オーナーは快諾してくれてトレッキングに持っていかない荷物を預ける。
持って行ったものは
- テント
- 寝袋
- マット
- 雨具
- ダウンジャケット(夜は冷える頃だったので念のため持って行った。あって良かった。3月)
- ライト
- 着替え
- 日焼け止め
- 食料(歩きながら食べられるようなものもあるといい。わたしはご飯用に袋ラーメン持って行った)
- 水(ハットやキャンプ場に水はあったが、2日目のキャンプ場の貯水槽に水がなかった)
- カメラ
- ケータイ(電波はしばらく入ってた。遭難用にGPSのあるものは持って行った方が得策。動画撮るのにも使った)
- 手帳とペン(いつも持ち歩く)
- ティッシュ
- 手ぬぐい
そんなもんだったかな。
行き方はテ・アナウ(Te Anau)かマナポウリ(Manapouri)を拠点にしてケプラー駐車場まで車で5〜10分ぐらい。
テ・アナウから水上タクシーで近道もできるらしいが、安さ一番だし変なとこ完璧主義なわたしは100%歩きたい。
朝一番まずはテ・アナウのスーパーへ向かう。食料の準備をしていなかったので調達。
そのあとビジターセンターへ行き、予約したキャンプ場のチケットをもらう。持っていないと泊まれないので必ず受け取ろう。
ようやく出発地点に到着。レインボー・リーチ駐車場(Rainbow Reach Car Park)についたのは朝の10時すぎ。
意気揚々と最初の吊り橋を渡る。
結構長めの吊り橋(吊り橋大好き
始めの道
橋があるとテンション上がる
綺麗に整備された道が続く
きのこ
警戒心のない鳥(名前はわかんない)
バックパック背負ってのトレッキングが初めてだったわたしはなだらかな1日目のコースでも結構バテてる。
明日山登れるの・・?
ようやく開けた道が現れる。
雨ではないものの天気はそこまでよくなかった。
ここからもまた長かった。
夕方5時頃にようやくキャンプ場に着く。
わたしが一番乗りだったようでテント設営場所はいい場所を選んだ。
このアイリス・バーンキャンプ場はケア(Kea)と呼ばれる鳥がいたずらしにくるらしい。なのでキャンプ場を管理しているおじさんに『木の下にテント張った方がいい』と言われて従った。そのせいか声はしたものの何も被害はなかった。
トイレとキッチン(水、調理台のみ)しかない。すぐ近くにハットがあるので忍び込もうとしたが、疲れでもうどうでも良かった。
この日は異常なほどのサンドフライ(蚊のようなヤツ。刺されるとめっちゃ痒くなる)に見舞われテントから一度も出ずに朝までぐっすり寝た。
2日目、朝早くから行動する。何と言ってもこの2日目を一番楽しみにしていたからだ。
なぜかというと山の上の絶景を眺めながら歩けるので写真を死ぬほど撮るのだ。でもすでに足はクタクタ、筋肉痛も始まっていたし、この日もオーバー20キロ歩かなくてはならないのでできるだけ朝早くに行動しようと思っていた。
確か朝7時頃に出発。手元の地図で確認すると早ければ2時半には次のキャンプ場に着くと踏んでいた。
しかしトラックのところどころに設置されている案内板にはそれ以上の時間がかかると書いてある。焦るわたし。それによればキャンプ場に着くのは夕方5時。
どうやら手元の地図はトラックを時計回りで歩く計算で書いてある。ミスったわたし。今日も着くの夕方か・・と朝からヨタヨタしている足を奮い立たせ登っていく。
しかしわたし以外誰もいない。みんな朝は遅いのかしら、と思ったけどよく考えたらわたしとは逆回りで歩いてる人が多いので会わないわけだ。
天気予報外れるのかしら・・と不安になるような濃い霧。
長い長い登りを登りきると
素晴らしい絶景が顔を出す。
雲がなんともいい感じ。
このあたりから疲れを忘れる。絶景によるアドレナリンが出た。
ので一人寂しくセルフタイマーで記念写真。
美しいですよ
雲がまたいい味出してる天気
眺めのいいトイレ写しておきました
最高のロケーションでした
ケアたち
歩いてる左側を真上から撮ったもの。
落ちたら危ない。バックパック背負って足がヨタヨタ。すれ違う人を避けた時にぐらっとしてビビった。
誰かがポーズとってるのをすかさず写真におさめる。
なかなか一人旅だとこういう写真は難しいのだ。
この時が一番晴れてた
だんだんと景色が変わってくる。
ハットで水分補給した後の開けた草原。
ここら辺から気持ちに余裕が出てくる。キャンプ場まで後は下り。すれ違う人に『ハットはもうすぐだよ!』っていちいち報告するようになる。(おせっかい
また霧が濃くなってくる
森に入る。
ブロッドベイに到着。ついたのは3時すぎ〜4時前だったと思う。
明るいうちに着いてホッとする。
2日目のキャンプ場は綺麗だった。地面はふわふわでみんな等間隔でテントを立ててる。ここもトイレとキッチン(水と調理台のみ)しかない。
1日目の終わりよりも体力的に余裕があった。アドレナリンすげえ。テントを立ててから湖で遊ぶ。
この日は22.8キロ。
ご飯食べようと思ってキッチンへ向かい、鍋に水を入れようとするが出ない。操作が悪いのかと試行錯誤してもダメだった。
他の人も出ないようなので多分貯水槽に水がないようだ。
ご飯用の水はペットボトルでまかなえたけれど、次の日の水がない。明日はまず川を探そうと思って寝る。
この夜外に置いていたゴミ袋がカサカサカサカサなってて眠れない。
動物が匂いにつられてゴミ袋漁ってるんだと思って寝ようとするが、どうもものすごい近くで音がなってる気がして何度も目を覚ましてライトをつけチェックする。
ネズミ。
テントに入り込んでた。
そしてわたしの次の日の朝ごはん、おやつ、ナッツなどを引っ掻き回してる。その時のわたしは冷静だった。とりあえずネズミを外に出した。
よくよく見るとテントに2箇所穴が開けられていた。結構ショックである。
まあ何にしろ仕方ないので穴にティッシュを詰め込んでそこにライトを照らして起きてるぞアピールをしながら寝る。
その効果か知らないけどその後は特に被害なし。
翌日はゆっくり行動する。最終日で平坦な道、さらに15キロ弱と3日間で一番短い距離だ。
ネズミに食われた食料を鳥たちにと撒き散らしながら歩いた。
水がないので小川を探す。なかなか見つからない。というのも川はあるものの流れがなくて淀んでるところはパスしてた。
見つけた流れのある小川の水は最高にうまかった。
森大好き
木の根っこが美しい
どこのトレッキングコースにもこんな目印が付いてる。番号が振られているので緊急時にはわかるようになってるのかしら
行くべき方向に矢印が向いてる。逆回りなら逆に。
道を塞ぐように倒れている木は道の通りに切断されている。
ケプラーは本当にトラックが綺麗だった。
最終日は2時すぎには駐車場に着いた。終わってしまうと寂しいものである。
3日間で60.1キロ。歩いてみた感想は、4日間で歩くのがおすすめ、食料はネズミの手の届かないところへ、そして意外にも一番辛かったのは1日目でした。
川の水飲めないって人は脱水症状になる場合があるので歩かないほうがいいです。(各ハットやキャンプ場には用意されてあるものの何があるかわからない
大変な3日間だったけど、歩いて良かった。
ただ怪我や遭難には注意しよう。危ないなあって思う場所は歩いたコースの中にもいくつかあったし、実際ニュージーで出会った友達のうち2人怪我してる(どっちも自転車で旅してた)
ニュージーでもし怪我してしまったら治療費は無料なのですぐ病院へ。
ただ病気などの治療は有料。
遭難はニュージーにいる時に結構耳にした。行方不明者を探すサイトはあるし、フェイスブックで友達になった人から流れてくる情報で捜索の拡散なんかも頻繁に見た。
やはり危険なことでもあるので、十分な下調べ(天気や経路など)はもちろん、遭難時でも生き延びれるような装備を心がけるのが賢明。
ただ感動は一生ものである。チャレンジも人生だ。
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