絵を描く技術と個性について

絵を描いて生きて行くには『絵を描く技術』は大事。当たり前だけど。
技術を上げる方法、美大や専門学校に通ったり、絵画教室、学生さんなら部活、ネット、弟子入り、たくさんやり方はある。
前も書いたけど私はほぼ独学で、アクリル絵の具の存在と絵の具と水の配分は当時専門学校に通ってた親友のよしをに教わったぐらいで、特化した技術は持っていなかった。
若くて自分の絵に対して自信があった私は教わる気もさらさらなかった。
何故そんなに自分の絵に対して自信があったかというとただただ何も考えてないポジティブ思考だったということもあるし、当時の絵の個性が強烈だった。
こんなんばっか。部屋探せばもっと変なの出てくる。
親友よしをの絵と比べるといつも悔しさがあった。技術があるし個性もセンスもあった。負けず嫌いな私だけど今までに絵に対して嫉妬したのはよしをだけだったと思う。
いや、数々のさらに絵の上手い人を見てきたけど純粋にすごいな、技術があるな、個性があるなって思うだけで、自分の個性と比べたことがなかったと思う。
当時の私は毒々しい自分だけの個性を不安定でも確立していたので自信満々で個展も開けた。(写真の絵じゃないよ誤解しないで
ただ初めての個展で『絵を売る』ことをした私はようやく気付く。なんてものを売ってしまったんだと。
もちろん気に入ってる絵がほとんどだったし絵を売る前の自分はこれでいいと思ってた。
けれど絵を買ってくれた人たちはずっとその絵を持っている。ズボラな絵の具の塗り方で、雑で、個性しかない絵を。
絵を独学でやろうと思うならそれでいいと思う、私もそうだし、応援してくれている美大の先生にも『あなたは学校に通わなかったからこそ自由で縛られていない絵を描いている。このままやれ』と言われたこともあった。(そりゃあもうこの上なく有頂天になりましたけど
でも売れた時に少しでも後悔する絵は描かないほうがいい。後悔が一生ある。買った人は自分の絵を一生持ってるんだから。顔を会わせるたびに心で謝ることになるぞほんとだぞ
手放すことが惜しい絵を描くべき。それを納得できる金額で売る。友達だから、お世話になったからと安くする必要はない。命を削って描いた自分の宝物のような絵である。
初めての個展を終えた私はそんなことについて考えさせられた。考えられるようになった。
線の美しさ、絵の具の塗り込み方、時間の掛け方、こだわりが徐々に変わっていくことになる。
私は右脳しか使ってない閃き型ポジティブクソ野郎だったので(アレ、今も・・?)何事も経験して学んできた。
本を読んだりネットで情報収集しても自分で実際やってみないと学べないし頭に入ってこない可哀想な部類の人間なのである。
なのでそうと決めたら頭で考えるよりも先に行動に移してしまうこんなの全然クールじゃない
でも経験しないとわからない失敗も沢山ある。少しも後悔しなかったことなんて今までなかった。
後悔して反省して熟考して改善してまたやり直せばいい。(私の場合肝心な『熟考』がよく抜けるよ
絵を描くのに必要な技術、それと併せてやっぱり個性は大事。
個性しかなかった私は真剣に個性を考えたことがなかったけど、やっぱり若かった頃からすると絵の個性も丸くなる。アレと同じ現象だ。アーティストってデビューアルバムが一番個性あるじゃない、だんだんと技術はアップしていくけど取っつきにくい曲が増える『デビューアルバムやっぱり最高現象』と一緒だ。(最低なネーミングセンス
個性が出せなくて悩んでる人もいるかもしれないけど、個性持つことって意外と簡単である。
日記とか書くといい
その日あったことだけを書くんじゃなくて、自分がどう感じたのかを書く。何を思って1日過ごしたのか、を毎日じゃなくても絵も添えながら楽しんで書く。
日記中の絵。これはその後個展のためにキャンバスへ書き直した。
誰も見るわけでもない日記だ、下品な絵でもくっだらない絵でも汚い字でもひどい言葉でも良い、むしろそのほうが良い。大事なのは自然と自分から出てくる表現。
私は昔から日記は書いて(描いて)たし、そこから絵のインスピレーションもらうことは結構多い。読み返すと自分の考えてたことなんかも面白かったりする。あとで書くけどタイトル決めるときにもすごく役立つ。
大好きな絵の模写
それとすごく気に入った絵の模写とかも良い。
真似することによって良いところを盗める。盗むと言っても悪いことじゃない。好きな画家を何人か探す。複数いた方が良いのは雰囲気が偏ってしまうとただの真似で終わってしまうから。
夢も大事なインスピレーション
夢を覚えていたらメモ。夢ってのは自分の頭の中のことを教えてくれるデカい存在だ。夢のインスピレーションから絵になったものも多い。
ビートルズのイエスタデイだったかな、ちょっと忘れたけど(忘れっぽい)夢で聴いた曲を起きてすぐピアノで弾いて出来上がった曲らしい。
それと『ジキル博士とハイド氏』のストーリーも作者のロバート氏の夢に出てきた妖精ブラウニーがストーリーを教えてくれたとか。
あ、ちょっと、夢の話も後で書く。語ったら長くなりそう。(脱線常習犯
そんな感じで自分の本能の部分を形にする作業をしてるうちに個性は固まってくるもんである。簡単だ。
今日泊まってるキャンプ場、元病院らしくちょっと怖いから誰か遊びに来て・・でもすっごく広くてやりたい放題である。こうなったら歌っちゃう。
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